睡眠よりも仕事とお金を大事にする日本人

なぜ、寝不足になってまで夜更かししてしまうのか

夜更かしは殆どの場合、お好きなことをされているか仕事、勉強かと思います。
お好きなことと言えば読書、映画やドラマ鑑賞、読書、スマホ、YouTube、Facebook、twitterなどなど…

これ、休みの前の日や、たまにでしたらいいのかもしれませんが、一度やってしまうと癖になってしまう傾向があるんですよね。

思考的には「寝ている時間がもったいない」となってしまっていませんか?
作業(仕事や勉強、映画、ゲーム) が終わったら寝ようと思ってしまう。
他にも「今日に満足していないから」とか「嫌なことがあったからストレス発散」いう理由で夜更かししてしまうことが多いのではないでしょうか。

「今日中にこの仕事をやっておかなければ」という迫られて睡眠時間を削ってしまうのと、「楽しいものや夢中になってしまって…」気づいたら寝る時間が無くなってしまう2つのケースがありますが、いずれにしても翌日のパフォーマンスは例外なく下がります。
パフォーマンスが下がって仕事時間が長くなり、ストレスが溜まってしまう。そして、ストレス発散もしたくなる。
どんどん睡眠負債が溜まり、完全に負のスパイラルになってしまいますね。
ちなみに、ストレスが溜まり続けるとコルチゾールという抗ストレスホルモンを出す副腎が疲労を起こして、寝れなくなります
現代人はむしろ、副腎疲労からくる睡眠不足が多いのです。

要は現代人は忙しすぎるのだと思います。

こんなデータもあります。

中学生の不登校の3人に1人(34.2%)は睡眠が原因

※不登校に関する事態調査~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書/文部科学省

これは、両親の共稼ぎによる夕食時間が遅くなっていることや携帯が普及したことなどが原因と考えられます。
そして、その習慣が大人になっても続いているように思われます。

その結果、寝不足になると分かっていてもやらなくてはいけないことや楽しいことを優先してしまい、夜更かししてしまう習慣に繋がっているのではないでしょうか。

もし、ここまでのところで当てはまらないという方は、次のことが考えられます。
自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない強迫性障害
いったん夜型の生活をすると通常の時刻に眠りにつくことができず、望まれる時刻に起床することが困難になる睡眠相後退症候群
これらの症状の方は、すぐにでもご相談いただきたいと思います。

寝不足になってまで夜更かししてしまうのは、まじめな方やまっすぐで純粋な方が陥りやすく、育ってきた環境や生活環境が大きく起因していると言えます。

今は違いますが、休まない美学と言ったらいいでしょうか、休まなかったり寝ないでがんばっている人がスゴイ!という風潮があったようにも思います。
すべては、まじめと言われる日本人の特性からくる負の遺産なのかもしれません。

睡眠・経済損失が世界でワースト1の日本

睡眠が悪いことで経済損失も世界でトップになっている日本。
その事実をあなたはご存知でしょうか。

アメリカのシンクタンク、ランド研究所が

世界の睡眠が悪いことで経済損失がどれだけ出ているのか

について調査を行いました。

国によって貨幣の価値が違うので、その国の国内総生産と睡眠が悪いことで経済損失がどれだけ出ているのかの割合を比較してランキングした結果、日本がトップということなんです。

1位・・・日本 2.92%
2位・・・アメリカ 2.28%
3位・・・イギリス 1.86%
4位・・・ドイツ 1.56%
5位・・・カナダ 1.35%

これは、日本人が睡眠が悪いことで仕事のパフォーマンスが落ちてるという事実でもあります。

夜な夜な仕事をしている方もいらっしゃると思います。
スマホやゲーム、ラジオやTV(夜中はどの番組もテレビショッピングやってますよね)
また、24時間開いているコンビニやスーパー、ファミレス、居酒屋などなど…
日本は全国的に不夜城状態なのが原因で、寝ない人が増えているという事も体内時計が狂ってしまい、仕事に影響が出ていると考えられます。

事実、世界のどこをみても全国的に24時間ずっと営業しているお店があったり、多種多様のメディアが24時間放送されているのは日本だけです。
そういった意味で睡眠が悪くなって、経済損失もワールドクラスで最下位というのも当然の結果なのかもしれません。

日本人は世界一まじめで努力の働きものの人種だと言われており、発明国でもあります。

例えば、ちょっと前に流行った「自撮り棒」や、カラオケ、スマホの絵文字なんかも日本人が生み出したものってご存知ですか?
食べ物ですと、インスタントラーメン、レトルトカレー、インスタントコーヒー
そのほか、ウォシュレット、シャープペンシル、胃カメラ、乾電池
あっ、そうそう青色ダイオードは記憶に新しいのではないでしょうか。

本来、日本人は世界に誇るべき国だと確信しておりますが、睡眠でも世界でトップクラスの良い国にしていきたいものです。
睡眠を良くしていくことは一個人の仕事も効率的になり自由な時間もできて、大切な人と素敵な時間を増やせます。
その結果、物質的にも精神的にも豊かな国になっていくのだと私は思います。

本当に仕事とお金を大切にするということ

人生の3分の1は睡眠

人は人生のうちの3分の1を寝て過ごすと言われています。
もっとも睡眠時間を削ってしまっていれば違った数字になってしまいますが…

Amazon CEOのジェフ・ベゾス氏も8時間睡眠を取っています。
その他にも成功者と言われるの多くの有名人は睡眠をとても大事にしていると言っています。

こんな話をよく聞きます。

若い時は寝なくても無理が効いたのに…
最近、寝ても疲れが取れなくなった…
40歳や50歳台になって身体のあちこちにガタがきた。

これは、人生の3分の1の睡眠時間を疎かにしてしまったのが原因なのだと思います。

今を全力で楽しく、一生懸命生きる。
この考え方もステキなのですが、人生の後半でいろいろなガタがきたりツケがくるのでは面白くありません。
思うように身体が動かなくなって余分な医療費がかかってしまい、老後の生活にも不安が出てきてしまいます。

本当に仕事とお金を大事にするということ…

それは、一生健康的にいられることを優先していただき、人生で3分の1の睡眠を大切にすることなのかもしれません。

なぜ日本は世界で一番睡眠が悪いままなのか?

それは、睡眠の専門家が少ないからなんです。

そもそも2017年の長距離バスの事故が相次いだこときっかけで過重労働が問題になり、睡眠も注目されるようになりました。
それは2017年の流行語大賞に「睡眠負債」がノミネートされたことからもうかがえますが、睡眠が大きな問題として意識された歴史が浅いことも一つの原因として挙げられると思います。

また、日本人は繊細で人の快適さを追求するあまり、便利になり過ぎた結果、睡眠を疎かにしてしまったのではないでしょうか。
例えばコンビニなどがそうですよね。
夜中に働いている人、起きている人のために24時間営業をしました。

私が以前、経営していた新聞販売店を含む、夜中に動かなければいけない職種も確かにあります。
しかしながら、どうしても24時間営業しなければならない職種はそんなに多くはないと思います。

睡眠を疎かにした結果、体調を崩したり精神的な病にかかったりすることで経済損失までも世界ワースト1になっていることも否めません。
真面目な性質の日本人は本当に素晴らしいと思いますが、もっと睡眠に関心を持ち、真の健康とは何なのかを学び、効率やハイパフォーマンスな生産性への転換期にきているのではないかと考えます。

睡眠の専門家が少ない日本

健康はご存知のとおり「食事・運動・睡眠」となりますが、日本には管理栄養士や栄養士といった食事の専門家は100万人以上おり、ヨガインストラクターや○○トレーナーといった運動の指導者は58万人いるのに対して、睡眠の専門家は1万人もいないのが現状です。

それは【厚生労働省政策統括官付政策評価官室委託「健康意識に関する調査」(2014年)】の結果からうなずくことができます。
健康に関してどのような情報が必要と考えるか、という項目で

食事・栄養についての情報・・・35.7%
運動についての情報・・・23.5%

とあるのに対して、明確に睡眠については回答は見当たりませんでした。

また、健康観を判断するに当たって重視した事項では

美味しく飲食ができること・・・40.6%
身体が丈夫なこと・・・40.3%
ぐっすり眠れること・・・27.6%

という結果が出ています。

つまり、健康維持のために睡眠にはあまり関心がなったことや優先順位が低かったことが分かります。
睡眠の専門家が少ないのは、しょうがないのかもしれませんね。

睡眠は質がすべてです

睡眠が大切なのは分かっているし、睡眠時間を確保しなければいけないのも分かっている。

そんな声が聞こえてきそうですが、睡眠は

(睡眠時間)×(睡眠の質)

なんです。
いくら睡眠時間を長くとっても睡眠の質が悪ければ、睡眠時間が短く質の高い睡眠には劣ります。
極端な話をすれば、どんなに睡眠時間が長くても睡眠の質が「0」であれば睡眠そのものは「0」ということになります。
そして、昼間に強い眠気に襲われたり、集中できずハイパフォーマンスな仕事ができません。

ただし、勘違いしていただきたくないのは決して

ショートスリーパーをすすめていない

もし、忙しくてどうしても短時間しか寝ることができないという方は、睡眠の質を上げることで短い睡眠時間が可能になります。
ですが、きちんと睡眠のことを理解してしっかり知識を身につけることが大前提です。
でないと仕事の効率が悪くなるばかりでなく、健康面で深刻なダメージを追ってしまいます。

ということです。
ショートスリーパーは全世界の人口のうち約1%存在します。
しかし、遺伝的に短時間睡眠でも問題のない特異体質で、後天的になれるものではないのです。

それでは本当の意味で仕事とお金を大切にすることにはなりません。
後になってガタやツケがきてしまうのでは、なんのために一生懸命働いてきたのか分からない人生になってしまいます。

ご提案になってしまいますが、睡眠時間は変えられないという方は私自身が体験した睡眠の質を高める方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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