朝スッキリ起きられない、十分寝たのに疲れが取れない・・・
「よい睡眠が取れていないな」と思われた経験はどなたにでもあると思います。
あなたは、睡眠が取れない、または睡眠が悪くて体調を崩したり病気になったりすると思われますか?

朝スッキリ起きられないのは、睡眠不足が大きな原因として考えられます。
ですが、その睡眠不足の原因なんなのかが大事なポイントになります。

ただ単に、仕事で睡眠時間が短くなっているのであればそれが原因でしょう。

しかし、そうでない場合はすでに身体のどこかに不調があります。
ストレスの多い現代では、睡眠の悪い人の多くが睡眠に問題があるのではなく、副腎が疲れてしまっている副腎疲労が原因と考えられています。
それは次の図から裏付けられています。
※出典:「自分で治す!副腎疲労」本間良子・本間龍介著、洋泉社より

詳しくは『副腎疲労が睡眠の質を下げる』でお伝えしていますが、副腎からはストレスに対処するために抗ストレスホルモンと言われるコルチゾールを分泌します。
しかし、このコルチゾールは脳を覚醒させる覚醒物質でもあります。
副腎疲労を起こすと、分泌バランスが乱れ、眠る時間帯にコルチゾールが分泌されてしまい睡眠を妨げてしまうのです。

少し話が逸れますが、私は中医学の専門家でもあるので中医学の観点からもご説明させてください。

その前に、中医学とは何なのかご説明します。
中医学とは、2千年という長い歴史に裏付けられた中国の伝統医学のことをいいます。
すべてのものは関わり合っているという整体観からバランス医学とも言われ、弁証論治というオーダーメイド医学、未病先防と言われる予防医学の3つが特徴です。
そして、陰陽学説と五行学説から、身体の状態の見極めに活かしていきます。

その陰陽五行でご説明すると・・・

①「悩み」が酷いと胃の不調がでやすくなり、体力、免疫力が落ち「悲しみ、憂い」といった感情の時が多くなります。
②その結果、肺や大腸の不調がでやすくなり「不安、恐怖」となってホルモンバランスが乱れます。
③ホルモンバランスが乱れると生命維持機能を司る腎臓の不調に繋がり、肝臓に影響を及ぼします。
④そうなると精神、情緒が不安定になり、常にイライラしたり「怒り」の感情が多くなってしまいます。自律神経の乱れですね。
⑤次に心臓に影響がでやすくなり、血流に問題がでやすくなって脳への影響がでて思考は悪くなり睡眠にも問題が出てきてしまうのです。
※出典:桝田礼三氏ブログ「陰陽五行説と漢方医療」より

図でご説明すると、五行学説でいう黄色の「土」属性から右回りに赤の「火」の属性に向かい、「火」の属性で見られる睡眠に問題が出てくるという訳です。

実際に睡眠の相談に来られる方の多くは、この2つの観点睡眠が悪くなっています。
現代人の睡眠の問題の多くは睡眠以外に原因があると思われます。

朝スッキリ起きられない原因は2つ

睡眠不足が重なり睡眠負債が溜まっています

20歳以上の日本人の7割以上が、睡眠不足の状態で生活をしているので、それだけで朝スッキリ起きられていない人が多いのは容易にわかります。

20歳以上の平均睡眠時間を調べた結果、7時間以上の睡眠時間をとっている割合は27.4%

※2018年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」より

日本人の睡眠時間が世界でワーストワンである裏付けになっています。

適正な睡眠時間は各個人で異なっていますが、こんな研究結果があります。

スタンフォード大学教授の西野博士は、毎日平均7.5時間の睡眠をとっている健康的な10人を集めて、毎日14時間ベッドに入っているように指示をしました。
初日は13時間寝れたものの、翌日からは日ごとに睡眠時間は短くなり、最終的に10人の平均睡眠時間は8.2時間に固定されました。
これは8.2時間の睡眠がとれるようになった時点で睡眠負債が解消されたことを示しています。
7.5時間と8.2時間の差は約40分ですから結果的に、毎日40分の睡眠負債が溜まっていたことになるわけです。
そして、この睡眠負債を完済するのにかかった時間は3週間でした。

このことから、睡眠負債が溜まっていると朝スッキリ起きられませんが、睡眠負債が溜まっていなければ起床時間になると自然と起きられるようになるということが分かります。

副腎という器官が疲労を起こしています

副腎疲労ということばをお聞きになったことはありますでしょうか。

現代人で睡眠の悪い人は、睡眠に問題があるのではなくほとんどが副腎が疲れてしまっている副腎疲労が原因だということが分かってきました。
ストレスの多い現代の社会構造の変化に伴って多くの人に見られる病態で、アメリカでは人口の15%くらいが該当すると言われており、日本ではこれより多い割合の人が副腎疲労ではないかと考えられています。

この副腎疲労、医療先進国のアメリカでは、万病の元として広く知られている病気で、がんや多くの難病の治療を開始する前に副腎疲労の診断をするくらいポピュラーなものです。
しかしながら、日本では正式な病気と認知されているものではなく、通常行われている医療の中では治療の対象外とされています。
この副腎疲労については、日本では認知している医師が所属する医療機関のみで検査や治療が行われているくらい、最近になってきて注目されてきたものなのです。

このようなことから

「寝ても疲れが取れない」
「最近、気持ちが落ち込んでしまう」
「これってうつ?」

そう考えて医療機関を受診したものの、長い間症状が改善しない方がいらっしゃいます。
ストレスで寝れないというお悩みで病院に行っても「ストレスを無くしてください」としか言われず、抗うつ剤や精神安定剤、睡眠導入剤を処方されます。
また、朝起きる時には身体は体温と血圧が上がりますが、副腎疲労を起こしていると体温や血圧が上がらないという現象が出ます。
「低血圧で起きられない」という方がいらっしゃいますが、副腎疲労を起こしている場合、医療機関に行っても血圧を上げる薬を処方してもらうだけで根本解決にはなりません。

副腎外来や副腎疲労外来といった専門機関で診ていただくことをお勧めします。

ご自分が副腎疲労を起こしているのかどうかは、次の副腎疲労チェックリストでいくつ当てはまるか試してみてください。

副腎疲労チェックをしてみましょう

ご自分の副腎がどれくらい疲れているのかチェックして数を数えてください。

✅朝起きられない、起きるのがつらい
✅眠っても疲れがとれない
✅体が重い、だるい
✅立ちくらみがする(起立性低血圧)
✅やる気がしない
✅うつ症状がある
✅人生に意味を見出せないと感じる
✅記憶力や集中力の低下がある
✅頭が働かない
✅塩分が欲しくてたまらない
✅低血糖症がある
✅カフェインがないと仕事ができない
✅風邪をひきやすい、治りが遅い
✅ケガや病気が治るのに時間がかかる
✅午後3時から4時の間はぼんやりしている
✅夕食後やっと元気になる
✅ストレスに対処できない
✅いつも疲れている
✅日常的なことがとても疲れる
✅何をやっても楽しくない
✅PMS(月経前症候群)の悪化
✅性欲の減退

いかがでしょうか?
4つ以上、当てはまる項目があれば副腎に不調がある、または副腎が疲労を起こしている可能性が高いので、このブログの最後『副腎疲労の改善方法』をお読みいただいて改善をされてください。
そして、より詳しくご自分の副腎の疲労状態を知りたい場合は、副腎外来や副腎疲労外来といった専門機関を受診していただきたいと思います。

副腎疲労症候群

副腎疲労と睡眠への影響

ストレスがかかったり炎症が起きると副腎は身体を守るためにホルモンを分泌します。
ところが、ストレスがかかりっぱなしだったり炎症が起きっぱなしだと副腎が疲れてきてしまいます。

副腎はいろいろなホルモンを出す役目をしていますが、頑張り過ぎたりストレスが多かったりするとその分、コルチゾールというホルモンを分泌します。
このコルチゾールというのはストレスを受けたときに脳からの刺激を受けて分泌されることから【 抗ストレスホルモン 】とも呼ばれています。
身体を酷使したり極度のストレス状態が続くと一生懸命、副腎がコルチゾールを分泌して挙げ句の果てにコルチゾールが枯渇して、コルチゾールの生成が間に合わなくなってしまうわけです。

この状態を副腎疲労というのです。
そうなると「疲れているのに寝れない」「いくら寝ても朝スッキリ起きられない」というような現象が起きてしまいます。

そして、副腎疲労が起こるとストレスと炎症の調整ができなくなって、たちくらみやうつ、不眠女性であればPMSが強くなったり悪化と様々な症状が起こります。
これらを副腎疲労症候群といいます。

副腎疲労不眠や睡眠障害の原因になるばかりではなく、うつ病や生活習慣病の一因になってしまうことが分かってきています。

そもそも副腎ってなに?どこにあるの?

副腎は、50種類以上のホルモンを産生・分泌している、三角形の左右の腎臓の上にある臓器です。
やる気を高めて生理作用をコントロールするアドレナリンやドーパミンというホルモンは耳にされた方もいらっしゃると思いますが、それらのホルモンも分泌している他、肝臓での糖の新生や筋肉でのタンパク質代謝脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進抗炎症、免疫抑制など、とても大切な働きをしてくれています。

重さは5gと、とても小さいですがステロイドホルモンと言われるコルチゾール、アルドステロンや性ホルモンなどを分泌することで、栄養素の代謝、電解質のバランス調整、ストレスのコントロール、心臓や血管の循環器系の調節などをしている器官です。

副腎が疲労を起こすと、分泌されるホルモンのひとつコルチゾールが分泌されなかったりうまく分泌さてないといった症状が出るわけですが、注目したいのは次の点です。

副腎がコルチゾールを増産すると、共通の材料であるコレステロールからつくられる男性ホルモンが減少して男女とも性欲が減退するほか、感情のコントロールができなくなって感情の浮き沈みが激しくなったり、不眠気味になります

また、女性の場合は女性ホルモンが減少することもわかっています。
女性ホルモンが減少すると30歳代でも更年期のようなイライラやほてり、冷えなどの症状が現れます

健康診断では測定したり、指摘をされることもありませんし、痛みや不調を感じないのでどんな働きをするのか知らない方が多いのも無理はありません。
私も睡眠の専門家にならなければ、不調が出るまで知らなかった臓器であると思います。

このブログをお読みいただいて、副腎要の器官であることを知っていただければ幸いです。

副腎疲労が睡眠の質を下げる

朝スッキリ起きられない原因は、睡眠負債が溜まっているほかに副腎疲労が原因として考えられますが、なぜ副腎の不調が睡眠の質を下げてしまうのでしょうか。

副腎疲労の原因のひとつはストレスとなります。
ストレスを感じると、脳からの指令により副腎はコルチゾールを分泌するわけですが、このコルチゾールは抗ストレスホルモンであると同時に、脳を覚醒させる覚醒物質でもあります。

悩んだり、考えごとをしていて眠れないというご経験をされたことはありませんでしょうか?
これは、脳がストレスを感じる
→ 副腎がコルチゾールを過剰分泌
→ その結果、脳が覚醒してしまう
ということが起きているからです。
人は無意識で、ストレス源に生命を奪われないように、起きている必要があると判断して、脳を覚醒させる習性があると考えられています。
この習性が睡眠の質を下げるのです。

逆に朝スッキリ起きられないのは、副腎が疲労を起こしてコルチゾールの分泌が乱れることが原因です。
本来、コルチゾールは朝起きたときが一番多く分泌され、夜になるにつれて減少します。

このコルチゾールの覚醒作用によって、朝スッキリ起きられて、日中の集中力を高めてくれるのです。
そして、夜はコルチゾールが減少するので熟睡できるというわけです。

副腎が疲労を起こすとコルチゾールの分泌サイクルが狂ってしまいます
眠る時間にコルチゾールが分泌しはじめて脳が覚醒し、朝起きる時には分泌されるはずが分泌されていない症状が起きています。

そのため、朝はスッキリ起きられない、日中は集中力がなく眠気と闘い、夜は眠れないという三重苦を食らってしまうのです。

副腎疲労は自分で改善できる

副腎疲労の改善方法

副腎疲労は悪い要因のものを取り除き、良いことを取り入れることで改善できます。
下記の7つの方法をご覧ください。

1.精神的なストレスを避ける【ストレスを感じる場所には行かない。休息をとる】
2.適さない食品を避ける【糖質類、白米、果糖の野菜ジュース、グルテンを含むもの、カフェイン、マーガリンなどの人工的な油を含むものなど】
3.睡眠に必要な栄養素を摂る【ビタミンC、B群、ファイトケミカル。サプリメントで効率よくとられることをおススメします】
4.朝食をしっかり食べて太陽を浴びる【質の良い睡眠をとるための基本】
5.しっかり睡眠をとる【副腎の疲労回復に必須】
6.化学物質を極力避ける【そもそも化学物質は人にとってはストレスなので極力避けることは大事】
7.運動を取り入れる【ウォーキングやストレッチがお勧め。激しい運動は元気になってから】

まとめますと、ストレスを避けて必要な栄養を摂りしっかり眠ること副腎の疲労回復ができるということです。
自分にとって悪い生活習慣をリストアップして、まずは自分自身で把握してみることから始めてみてください。

睡眠を本当に良くするということは、睡眠をよくするアプローチだけでなく身体を良くするアプローチもあって成せるのです。
どちらかだけだと一時的に良くなってもまた元に戻ってしまうでしょう。

そして、副腎の回復には3ヶ月ほど時間がかかるので、焦らず気長に取組んでください。
そうすれば朝スッキリ起きられて、日中は集中したパフォーマンスの高い仕事ができて、熟睡ができるようになるでしょう。

睡眠の専門家がお伝えしたい思考の問題

睡眠の相談に来られる方は睡眠以外に何かしらのちょっとヘビーなお悩みをもっておられます。
もっとも、現代人は悩みのない人などいないと言われていますが、問題は切り替えられず長期化したり、深刻化したりすることだと思います。

睡眠の専門家である私が、思考を切り替えられたことによって眠れるようになったことばを紹介させてください。

過去に「思うようにいかないんです…」と、あるメンターに相談したら
「思い通りになってるじゃない」と言われ、イラっと(少しだけ)したのですが、お話を聞いていると
「金子さんが、思うようにいってないと思うからその通りになっているだけなんだよ」
と教えていただいたのです。

「病は気から」といいます。
思考を変えることによってストレスが軽減されることもあります。

辛いことや苦しいことは、本当にストレスを感じます。
でも、のり越えたときには違う景色が見えますし、すべてはステキな未来のためにあると思うのです。

「起きることのすべては必要だから起きている」
とも教えていただきました。

「自分がどうありたいか」を大切にして前向きな気持ちでありたいものです。

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